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ヘルニア仲間の皆さん 無事、昨日退院いたしましたケイティです!
入院中も何度かこのページに訪れ、同じ悩みをかかえる皆さんの投稿を見るにつけ、早く自分の状態をご報告したい気持ちでいっぱいでした。 それぞれの投稿にコメントさせていただくより、今の実際の状況を率直に書いたほうがよいと思い、今パソコンに向かっています。 (私の症状や手術に至るまでについてはぜひ過去ログをご覧ください)
私は、去年の5月連休明け発症、最終診断は頸椎5番、6番の変形性頸椎症です。右腕から手先までの麻痺、左足の麻痺が最終症状です。 椎間板のヘルニアはもちろん、骨棘(椎間板がつぶれることで脊椎どうしがぶつかりあって、骨にとげができる)が脊髄を圧迫してでる症状でした。 発症して1か月半、激痛(神経根症状)は処方される痛みどめ(ロキソニン、ボルタレン、リリカ)は全く効かず地獄をみました。そのとき私を救ってくれたのは10年来信頼している柔整師の先生です。 詰まっている5番、6番を手技で広げてくれたことで、激痛からは解放されました。(痛みがなくなったわけではありません。あくまでも気が狂いそうな激痛から解放されただけですが、私にとってはその柔整師の先生は神様に見えました) ブロック注射も全く効果なし。 最終的に11月ごろには、脊髄圧迫による麻痺は進行し右腕は上がらなくなり、握力は低下し、左足は足先の感覚が鈍くなり、階段の上り下り、バスの下車がとても怖くなっていました。
今の私が言えることは、手術してよかった・・・ 実感です。
でも、私が手術を受ける決意をするまでには本当に不安と葛藤の連続でした。 ネットを調べれば調べるほど悪い結果が目に入り不安になるし、ドクターはまず手術を勧めません。できればしないで済む方法を勧めてきます。 そのことにいらだちを覚えた自分でもあります。 医者は術後のリスクの責任逃れを考え勧めないんだ、と思っていたのです。
でも、手術を実際に受けその答えがわかりました。 脊椎の手術は本当に体へのダメージの大きい手術です。 しなくて済むのならしないほうがいいに決まっていて、それをドクターは言っているだけなんですね。
術後、麻酔から覚め、すぐ激痛が始まりました。 首にはコルセットが装着され身動きできない私には、右手にナースコール、左手には痛いと自分で痛みどめ(モルヒネ系)が点滴に注入されるボタンを持たされ、痛いと思ったら何度でも押していいと言われていました。 手術して痛くないはずがない。痛みどめの点滴はもちろんしているはずだけど痛い、とにかく痛い助けて・・・と左手のボタンを何度も押していました。 それでも痛みの極致に来て、過呼吸をおこし酸素濃度は基準を超えて全身けいれんするほどになってしまい、ひと騒動おこしました。 それだけでなく、モルヒネ系の痛みどめが体に合わずひどい吐き気で寝たまま何度吐いたかわかりません。 体に合う痛みどめが点滴で落とされて半日、手術から約一日半たってやっと地獄の痛みから解放されましたが、モルヒネ系痛みどめが体から抜けるまでに半日かかり、トータル2日全く何も口にできず(水も吐きました)、三日目は胃酸で胃が荒れてひどい胃痛に泣かされ、まともに食事が取れるまで4日かかってしまいました。 おかげで4キロ体重は減りましたが、痛みどめが効きだしてから不思議なほど首の痛みはなくなってしまいました。 今は、ほとんど首の痛みはありません。どちらかというと、採骨のため(チタンに充填する骨の採取)削った胸の真ん中のほうが痛いです。特にこの季節、くしゃみは笑えません。 病院によってはこの採骨を腰の骨を採る場合もあるそうですが、腰は後が痛むのでこの病院では比較的やわらかい、痛みの少ない胸の採骨をしているということです。
また頚椎の5番と6番の間にチタンを入れたのですが、入れるためには狭くなった5番と6番の間を広げなければなりません。 そのために、頭3カ所にピンを刺し、頭を引っ張るんだそうです。術後少し余裕ができたころ、頭を触ると腫れていて痛いところが何カ所かあってなんだろうと思っていたのです。 最初は知らなくて、手術中にぶつけたんだろうかと思っていました。
この病気の手術は患者本人が決めるものです。 毎日の生活の不便さ、痛みの度合い、どれも客観的には比べられない、本人しかわからない苦痛です。 だから、患者本人がその苦痛に耐えられないときが手術のときだということです。 MRIで見える圧迫の度合いはあまり関係ないようです。
手術前ドクターからは、痛みは基本的にはなくなるはずだけど、神経のダメージの度合いによってしびれや痛みは残ってしまう。あくまでもこの手術は現状維持、もしくはこれ以上麻痺がひどくならないためのものだから、と言われていました。 それでも私は、これ以上麻痺がひどくなる不安からどうして逃れたかったし、痛みからも解放されたかった。その不安を抱えたままこれ以上生活していけない・・・ 私は現状維持で万々歳だったんです。
結果、腕の痛みはほぼなくなりました。ダメージ期間と度合いがひどかった分やはり少し痛みが戻ることがありますが、継続することはなくあの痛みに比べればへでもありません。 腕は筋肉が削げ落ちひとまわり細くなるほどの麻痺状態でした。 手術前に、筋電図、針筋電図(筋肉に直接針を刺して筋肉のダメージを検査:これは痛かった・・・)を検査し、筋肉のそのものには全く問題がなく、脊髄圧迫による麻痺ときちんと検査をしてくれたことは、手術に踏み切る大きな要因にもなりました。原因がはっきりしたわけですから。 手のひらは、握力がなくなり箸を持つ手は志村けん状態でぶるぶる震えていました。 これは術後完全に消えていました! 足先の感覚も戻りました。 9か月間の神経麻痺により筋力が衰えていますので、すぐに力は出せません。でも感覚が戻っています。あとは時間の問題です。
私の場合、手術ヶ所が5番、6番の一ヶ所だったので、前方固定術と後方のどちらも選択可能でした。 後方は首の筋肉をかなり傷めることになり術後が大変とのことで前方からを選択しました。 傷は首のちょうどど真ん中から右へ約4センチくらい。それと鎖骨と鎖骨の間に2センチ弱の2本です。 思っていたより短くて喜んでしまいました。 ある病院では10センチは切ると言われていたので。
入院中は手術当日立ち会ってくれたドクター4人が入れ替わり、立ち代わり様子を聞きに診に来てくれました。一人のドクターではなく数人で患者を診てくれる安心感も大きな安堵感になりました。 術後いろいろありましたが、その後は順調で予定通り手術から10日で退院いたしました。
もっと早く手術に踏み切ればよかったのかもしれませんが、手術に踏み切れる自分が信頼するドクターとの出会いがなければ、今の感謝の気持ちと安堵感はなかったかもしれません。
今の私から言えること、それは手術をして良かった、です。 それが今の私の率直な言葉です。
自分で自分を判断することがこの病気の一番難しいところです。 私は、いろんなリスクはあったとしても、これ以上麻痺がひどくなる心配だけは取り除きたい、それで痛みがちょっとでもなくなるのなら万々歳だったのです。
今後また手術箇所前後の頸椎を痛め、再発の可能性があります。でもないかもしれません。 私はそっちにかけたんですね。
正解かどうかなんてわかりません。 感じ方が人によって違うからです。 でも、私はよかったです。
正直な、手術直後の生の声、少しは役に立つのでしょうか・・・
ケイティ |