とつさんの闘病記(2)頚椎椎間板ヘルニア、脳脊髄液減少症、腰椎プラットパッチ治療、胸椎のブラットパッチ

  頚椎椎間板ヘルニア 頚部脊柱管狭窄症 手術(後方椎弓形成術)
 低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症) ブラットパッチ治療 (30代前半 男性)


■ 脳脊髄液減少症の検査日決定
  脳脊髄液減少症の予約表を出して三ヶ月位経ちました。
この症状の患者はとても多く、すぐに診ていただく事が出来ません。それだけ、この患者が多いという事です。
私が体験した、いわいる医師もわからない症状で長年苦しんでいる人がやはり多いのだと実感しました。
7月に出した診察希望の返事が来ました。私の順番は3月の後半でした。やはりずいぶん待つんだな〜と思いました。
この間に★ここまで支えていてくれた彼女と入籍しました★私がほとんど調子が悪い中ずっと一緒にいてくれた人です。そして、★子供も授かりました★
あの頃その日を過ごす事がすごく大変で、自分の症状も医師にわかってもらえず、精神的だのでかたずけられた事を考えると、とても信じられない気分です。
症状は首の手術を受けた事もあって、以前あったしびれや脱力、吐き気などはなくなっています。
くらくらめまいと、体の痛みなどが主であり、時間がたってくる夜とか天気の悪い日にこれらの症状がひどくなります。

検査日
いよいよ診察の日が来ました。
この病院は車で1時間30分ほどかかる少し遠い場所にあります。しかし、この検査や治療を行う先生はまだ全国に少数しかいません。私の家から1番近いこの病院は実際に本など書いている第一人者の先生なので、先生に全てをおまかせ出来ます。綺麗な海沿いの病院でした。
診察を待っている待合室にはすでに、数人調子の悪い人が横になっていました。
始めて先生にあった時はすごくやさしそうな先生でした。今までのいきさつと、手術をした事をお話しました。
先生の答えでは、実際に手術を受けてまだ不調な症状があるという方は数多くいます。その中に髄液の漏れがあった人も多いとの事でした。
今までの経過からこの病気の可能性は十分に強いとの事で、検査を受ける事になりました。
GWに入り、私はまず頭の造影剤を入れたMRIを撮りました。
検査結果は、やはり髄液の量が少ない為、画像には脳が下がって写ってました。
髄液が減る、脳が下がる、脳が下がった事により神経が引っ張られるといった感じです。実際に神経にぶつかっているより引っ張られているというのは症状がなくなりにくいそうです。
詳しい検査が必要な為、6月にはMRIミエロという検査をしました。この検査を受けてもまだ漏れている箇所ははっきりしませんでした。
しかしながら、私の訴える症状や髄液が減っている事はわかったのだから、先生から入院して検査をしてみようと言われました。
はい、すぐにでもお願いしますって所ですが、この入院検査の結果次第で治療するという事は健康保険が使えません。
でも、すでにこの病気について色々知っていたのでその事も承知の上で検査を受ける事にしました。
もう、これじゃなきゃずっと付き合っていかなきゃいけない症状なのかと思うと、少しでも今よかよくなって普通に生活して働ける自分に戻りたいのが本音です。
8月の9日に入院になりました。

■ 術後2年検診
  6月に首の手術をした病院に2年検診で訪れました。首の方の経過は良好です。
その検査の前の日に男の子を授かりました★
この日は私が手術を受けた日でもあります。予定日よか少し早くなって出てきましたが、何か運命的なものを感じました。
先生に実は昨日・・って話したら、凄く喜んでくれて数人の看護師さんを連れてきて、一緒になって喜んでくれました。
最初に会った時は鬱みたいな症状ですごく心配してたから、良かったって言ってくれました。
自分でも先生に会っていなかったらここまで回復していないし、それに先生でよかったって思いました。
なかなか患者とすごくよく接してくれる先生に出会う事は少ないと思いますが、心から喜んでいただけた先生に出会えて私は幸せ者です。
また、その先生についているスタッフはとてもいい人なので良い病院って感じです。同じように苦しんでいる患者さんが少しでも良い先生にめぐりあえるよう本当に願っています。

 

■ 脳脊髄液減少症/検査入院、ブラットパッチ治療
〜検査入院〜

髄液の漏れがはっきりわかる検査は入院して行う必要があります。
実際に自分の体に薬を入れて、1時間後、3時間後、6時間後、24時間後に画像でそれを見る検査です。
この検査で漏れているかどうかのほとんどがわかるはずです。
入院をした翌日にこの検査をしました。体を丸めて腰に注射されました。
時間とともに経過検査にうつるのですが、三時間後の検査を受けて数時間後に先生が病室に来ました。
三時間後の検査で髄液の漏れがすでに確認されました。
これで、今おっしゃる全ての症状が髄液の漏れからだという事がわかりました。24時間後に検査を終えた後で説明しますとの事でした。
多分この病気に違いないって思っていたので、やっぱりそうだったかとちょっと安心しました。
というのも、診断もつかずこの不快な症状と一生付き合っていくのを思えば、治療法があるっていうのは凄くよかった〜って思えるからです。

24時間の検査を受けた後、先生に呼ばれました。画像を見せられ説明を受けました。
画像というのは←こんなマークのようなものです。の下にある点がぽたっと漏れてる事を表します。
時間を追うごとにこの点が大きくなっています。
30という量を入れたはずですが、一日たって7しか残っていませんでした。体が吸収するぶんもあるけれどこれは減りすぎだそうです。
画像を見ながら説明を受け、この漏れを防ぐには自分の血液をこの漏れてる箇所に流し、これをふさぐ「ブラットパッチ」という治療法が必要になります。
漏れている箇所は腰
でした。(ほとんどの人が腰のようです)
どうしてっていう原因は人それぞれですが、過去に事故などをしている人が多いそうです。
昔にスキー場で頭を打ってむち打ちになった事がありますが、今思えばその頃から進行していたのかもしれません。
漏れている箇所はギザギザした感じで画像に写っています。
ここに血液を入れるのですが、普通は20〜25くらいの量を入れるそうです。
少しの量でも負担はすごいものです。
ブラットパッチは一度で漏れている箇所をふさぐのはほんの何割の人です。
これも保険が効かない理由の一つかもしれないけれど、必ず一度でふさがれるって事ではないのです。
その説明を受けた上で先生は最初に入れる血液の量を35にしたいと言われました。
これだけの量を一度で入れられれば一回で済むかもしれないとの事です。
途中で駄目だったら中止という事でお願いする事になりました。

〜ブラットパッチ治療〜
翌日の朝から治療を受ける事になりました。
治療はレントゲン室みたいな所で行います。
画像に映し出して血液を注射で入れます。この入れる場所を間違えてしまったら脊髄なので慎重です。
腰に麻酔を数本打ちました。
腕から血液を採取していざ治療です。緊張の一瞬。
先生が「ゆっくり入れていくので、気分が悪くなったら言って下さい」って言われました。
「凄く痛い」と実際受けた患者さんの声を聞いていたので覚悟してました。
ゆっくり入れているからなのか痛みというのはほとんど感じませんでした。
髄液が少ない=脳が下がっている。なので、血液を入れてるからなのか、ぎゅ〜って
脳が上がっていく感じがして、痛みというよりもそのぎゅ〜が苦しい感じでした。
途中で気分を聞かれましたが、その苦しさだけ伝えてそのまま無事すべての血液を入れることが出来ました。
治療後は病室で横になって点滴を受けてました。
起き上がるとものすごくその注射した箇所が痛くなりほとんど横になっていました。
また、ブラットパッチをしたからといってすぐによくなるわけではありません。
首の手術もそうでしたが数ヶ月〜数年と経過を見てゆき少しずつ調子もよくなっていくものです。神経的なダメージはゆっくりと回復にむかうのです。
一ヶ月くらいは調子が一度悪くなったり、腰の痛みが出るのでトイレ食事以外は横になってという事でした。
検査入院で、入院して治療を受け退院するまでは五日ほどでした。

〜ブラットパッチ治療後〜
五日ほどで退院してからは主に自宅で一ヶ月ほど安静にと言われました。
安静というのはトイレ食事以外はほとんど横になってなさいという感じの安静です。この時に無理して動いたりしていてはせっかく治療した所がくっつかず意味のないものになってしまうので、家でほとんど横になっていました。
治療をしてからの体調は悪かったです。
治療を受けた腰も痛いし、以前あまり感じなかった頭痛もありました。
何か治療したら調子が悪くなったというのが感想です。
治療後は調子が一度よくなってからすごく悪くなると聞いてました。
その時期を乗り越える事も必要だと。
三週間ほどたってからはウォーキングなどはしたほうがいいと言われていたので近所を散歩してました。
ずっと動いていなかったので体が筋肉痛になりました。
歩いている時もふわふわしてるし、こんなんで良くなっていくのか不安でした。
一ヶ月位過ぎてから会社にも以前のように顔を出しました。
調子は治療をする前と特に変わった感じはなく、背中と腰の痛みが追加された感じでした。
仕事も一日フルに働くのもまだ無理でした。
この病気の人に見られる天気が悪くなる前に調子が悪くなるのも感じるようになりました。
薬は安定剤を飲んでました。デパスという一般的な薬です。
以前は特に変わりはなかったですが、薬をのむとフワフワが少し楽になりました。

三ヵ月後に診察がありました。
調子は以前とあまり変わった感じはなく、背中と腰の痛みがあると伝えました。
先生は始めの検査で背中は髄液の漏れがあるように写っていたらしく、気になっていた場所でもあるようでした。
次の診察は三月で、その時にMRIミエロという髄液の映像もはっきり写る検査を受ける事になりました。

転倒!
季節も冬になり相変わらずの調子でしたが、朝から出勤して一日頑張れる日も出てきました。
周りの人からは手術もして治療も受けてもう治ったんでは?というふうに思われていて、この病気が伝わりにくく理解されない部分が多い事が本当に辛い事の一つに思えます。血でもだらだら出てたら周りの人はわかってくれるのに、めまいだの痛みだのは本人しかわからないのでなるべく会社には顔を出しましたが、天気と共に調子が悪くなったりで精神的にも辛い時がありました。
朝の通勤の時に私は原付バイクで通っていましたが、路面が凍っていて転んでしまいました。
スピードはそれほど出ていなかったものの緩やかなカーブでストンって転んでしまいました。
転んだ瞬間にやってしまったと・・・
その時には対した痛みではなかったけれど、翌日にむち打ちの症状が。
首の手術もしている事だし、念のため手術をした病院へ行きました。
CT検査では手術した所は影響がないとわかりましたが、一週間位してひどいめまいになりました。
まさにむち打ちの後遺症が出てしまったのです。
髄液が漏れてしまったのかもと思い、しばらく安静にしてました。調子も悪かったので。
幸いその一週間後に検査に行く日だったので検査の後に先生に転んでしまった事を伝えました。
転んだ事は関係はないとは思いますが、やはり背中から漏れている映像が写りました。前回の腰の部分は良くなっているとの事でしたが、背中はブラットパッチをした方がいいと言われました。
ブラットパッチ治療は一度で治るのは少なく、平均でも2〜5回の治療が必要です。
なかなか塞がらなくて同じ場所に何度もする人もいれば、一箇所ではなく数箇所漏れているパターンや治療後他の場所から漏れるケースというのもあるからです。
保険治療にならない原因のひとつかもしれませんね。
患者も多い事だし治療の順番もまた数ヶ月待たなければいけないんだなと思っていたら、胸椎のブラットパッチなので帰れそうな距離なら日帰りで入院は必要ないと言われたので、私は今調子も悪い事だし早いほうがよかったのでお願いしました。
治療の確認をしていると、来週にキャンセルがでたので丁度そこに入れてもらう事が出来ました。
こうして、私は二回目のブラットパッチを受ける事になったのです。

■ 胸椎のブラットパッチ
 胸椎のブラットパッチは日帰りで治療となったので、朝一番で病院に行くことになりました。朝一という事なので私は病院近くのホテルで泊まって行くことにしました。
まだ診察が始まっていない静かな病院で先生の来るのを待ちました。
私は一人で行って、後で両親に迎えに来てもらう事になっていたので、先生が来て治療の説明、画像からブラットパッチが必要な理由を一人で聞いてました。
画像には肋骨の部分が透明に映ってました。
透明な部分、首のMRIの時にこれが髄液だと説明を受けていたので、肋骨の部分が透明な事に、ああこれが透明に映ってるって事は、漏れた髄液がここに流れているんだなと納得しました。
実際その部分は凝りの固まりみたいなのがあって、マッサージでもなんでもここに何かありますね〜と触られる所はいつも痛い場所でもありました。

 治療室って所に入り、うつぶせの状態で始めました。
当然というか治療の際に背中に麻酔の注射を
これは今まで受けた事のない場所ですし、思わず凄く力が入るくらい痛かったです(涙)
2、3本麻酔をした後、腕から血液をとりいざブラットパッチ
腰で一回経験しているので感じ方は一緒でした。
血液を入れてる場所には私はさほど痛みを感じなくて、徐々に脳が持ち上げられてるっていうんでしょうか、まあ単純にきつい〜って感じです。
少しの量だったらしいですが、もううつぶせのまま動けず。
治療を終え、点滴をうってる間はもう熟睡です
午前の診察が終わった先生がきて、胸椎のブラットパッチの場合二週間くらいの安静で動いていいよと。
この安静は家でなるべく起き上がらないようにしているだけです。
点滴が終わり待合に迎えにきた父親がいたので、そのまま車で帰る事に。
このとき、私はすごく見ている景色が綺麗でした。
ブラットパッチの時に起きる、風船効果がありました。
一時的に体調がもう治ったんじゃね?と思えるくらいよくなります。
最初の時はここまで感じませんでした。
見ている景色が綺麗というのは、首の手術をして目を覚ました時に一番最初に感じた事でした。
あの手術の時も漏れてるという事はわかりませんでしたが、流れが悪いと言われていたので、今になって髄液が今まで以上に流れていたんだなと思いました。

 安静にしていましたが、五日過ぎたくらいでくらくらひどいめまいが。
やはりというか、治療後に必ずやってくる不調の始まりです。
結局私は三週間ほどほぼ横になったりで過ごし、一週間歩きました。
ずっと動いてなかったせいで、筋肉痛だし30分歩いたらふらふらみたいな状態でした。
ブラットパッチは個人差があると思いますが、一度よくなってから(これは一時的に髄液が増えたからかもしれません)数日後に体調が治療前よか悪くなります。
それから、漏れてた箇所が血液で固まり、徐々に髄液を増やしていくといった感じです。
以前感じなかった、背中や腰の痛み、また天気の悪くなる前に体調が悪くなるといった症状も出ていました。

■ 胸椎ブラットパッチ治療でめまいが減少 ここまでの辛かった道のりを振り返って
 胸椎のブラットパッチを受けた後は、今まで以上にふわふわするめまいが軽減しました。

朝仕事行く前に、安定剤を飲めば一日何とか働ける状態になったからです。
以前では薬など飲んでもふわふわめまいを感じてましたから、そういえばあまりひどいめまいはないな〜程度ですが、ずいぶんの前進です
とりあえずは薬飲んでれば何とかなるかな〜と思えてきて、長年続いて辛かったあのふわふわめまいが消えてきてほんと頑張ってきたかいがあったものです。

仕事が一日出来るようになって、薬を飲んでなければふわふわ感じ、腰痛と背部痛というのがずっと続いてる感じでした。
いきなりお腹を壊したり、胸がきゅ〜と狭くなるというか詰まるというかそういった、自律神経失調症と呼ばれるような原因?わからずみたいな症状が続いていました。
この病気の特徴ともいえますが、人によって症状が異なります。
髄液漏れの患者はこういった症状が複数あると思うので、頸椎の痛み以外に、こういった違う症状が複数感じる人はこの病気も考えてみてもいいと思います。
私の場合は頸部の狭窄とこの脳脊髄液減少症の二つがあったので、道のりは大変長いものでした。
原因不明のめまいや吐き気、首の痛みのほかにも色々出てきたのに、病院に行けば検査→異常なし→違う科を診察→検査→異常なし→他の病院みたいなのを延々と繰り返し、日を追うごとに症状は悪化・・しかしこれといった治療見つからず…
あの時この薬を飲めば楽になると言われて渡されていたのならば、私は迷うことなく飲んでいたでしょう。
自分で死ぬ勇気は持ってませんでしたから、あの頃の自分によく頑張ったと言ってあげたいですね。辛いほんとその一言だけです。

 仕事も出来るようになったのもあって、私は支えてくれていた彼女と籍を入れました。
嫁の実家へお正月に遊びに行った際に、お正月という事でお酒を飲みました。
薬も飲んでるし、あまりお酒の強くない私は久しぶりに口にしました。
翌日、お腹を壊し何故か腰がものすごく痛くなりました。
ちょうど診察が近かったため、先生にこのことを報告しました。
先生は、お酒には利尿作用というのがありまして、髄液漏れの患者は脱水になりやすく、脱水しないように日頃から水分を多く取らなければなりません。
お酒を飲んでこの症状が出たという事は、痛くなった腰から漏れてるかもしれないので、入院検査が必要だと言われました。
お酒のおかげでまだ漏れているのかもしれないというのがわかったのです。  次のページ(3)に続きます。

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ある朝、寝違えたような首の痛みから始まり、頭痛・吐き気・めまいのような症状に悩まされる。
これまでの不快な症状の原因が、脳脊髄液減少症であると診断されたことで、ブラットパッチという治療法を受けることになりました。発症から現在に至るまでのとつさんの苦悩の体験を「みんなの闘病記」でご紹介いたしました。  管理者:楽楽


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