kanepupuさんの頚椎椎間板ヘルニア 韓国で手術失敗、壮絶体験闘病記(1)

頚椎椎間板ヘルニア 手術療法


2013年3月
韓国にて3-4を経皮的内視鏡頚椎椎間板ヘルニア摘出術
5-6-7間を椎間孔拡大術
術後2か月で再発!そして再手術!
しかし…


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◆はじめに
この闘病記は、韓国での手術における失敗体験記でもあります。海外で手術を受ける上での問題点やリスクなどの実体験を、これから手術を受けようとする皆様たちにお伝えいたします。

私は日本人であるが、オーストラリアに在住している。 オーストラリアは1995年からなので在住して20年となる。 今回、楽楽さんより闘病記の話をいただいたが、日記も書いたことがなく正直全く自信がない。ただ私が負った屈辱的な事実を伝えていかなければいけないというある種、使命感みたいな気持ちが強いため請け負うことにした。 文章力はないが正直に覚えていることを伝えていきますので、ご容赦ください。
◆オーストラリアの病院と神戸の病院に
頸椎ヘルニアを患ったというか後頭部の鈍痛、慢性的な肩こりが始まったのは10年以上前からである。
その時は特別な治療は行わず時期に治るだろうと軽く考えていた。5年ほど前(2010年頃)から症状が酷くなってきたためオーストラリアの現地の病院に行きCT、レントゲンを撮ってもらったところ経年変化による頸椎症と診断された。
画像診断の中で神経の圧迫がいくつか見られるという話があり怖くなったことを覚えている。
処方されたトラマールという薬を飲むと一時的な鎮痛はあったが、根本的な改善とはならなった。
私は普段から意識した健康管理をしていなく運動もしてこなかったためそれが祟ったと思った。その後も健康管理を意識した生活をしなかった。
2年~5年ほど前、症状が改善されないことから何度か定期的に現地の病院に行きCT、レントゲンだけではなくMRIも撮り画像比較をしてもらった。すぐに手術をする必要ではないが将来的には必要だろうという診断結果だった。
相変わらずトラマールという薬を飲んで痛みを散らしていた。
症状が一向に改善されないため日本に一時帰国時に紹介状を書いてもらい神戸労災病院で診断してもらうことにした。神戸労災病院の鷲見先生からは痺れなど出ていないことから首の牽引、軽い運動をすることと痛み止めの薬をもらった。
保存療法で積極的な治療はできないとのことだった。その時は頸椎ヘルニアを患っているという意識もなく症状は軽いと思っていた。
◆2013年1月日本に一時帰国
 2013年1月に突然やってきた。
朝起きると右肩甲骨内側に強い痛みがあった。初めは寝違いと思い時期に治るだろうと考えていた。
しかしその痛みは日に日に酷くなり、右上腕部にも痛みが出てきた。この痛みは1週間以上続いた。
現地病院に行っても痛み止めの薬が処方されるだけであった。
その後右手人差し指、親指、中指と右前腕に痺れが出てきた。
2週間が経過し右肩甲骨内側と上腕部の痛みはナイフで刺されたような酷い痛みに変わり我慢ができない状況になったため思い切って日本で治療することを覚悟し2月に一時帰国することにした。
私は兵庫県西宮市に実家があるため、西宮周辺の病院の関西労災病院、西宮市立病院、兵庫医大病院、W辺病院、K藤病院に行ったが積極的に治療を行う病院はなかった。
すべて保存療法で2か月ほど様子を見るようにという診断であった。
詳しくは以下掲示板を参照してほしい。
みんなヘルニア仲間掲示板
No.4815/No.4858、No.4864
https://www.fancy-popo.com/communicate/HerFrnd/HeKxb_PJRmYC/read.cgi?mode=all&list=topic&no=4815#4858
日本滞在時、痛みがあまりに酷く眠れない日が続いたため何度かペインクリニックに行き神経ブロック注射をうってもらったが、根本的な痛みの改善にはつながらなかった。

西宮周辺には積極的に治療を行う病院を見つけることができなかったため東京の北青山Dクリック 泉先生に画像を送り遠隔診断をしてもらったが、すぐに手術を行うことは難しいと返事をもらった。
積極的な治療としてPLDD(椎間板ヘルニアレーザー治療)をしている伊藤クリニックにも外来診断してもらった。
私の症状はPLDDでの手術対象可能と診断してもらったが、手術には120万という高額な保険外費用がかかることと手術することによって問題が改善される保証がないことがひっかかった。
日本に帰国して5週間が過ぎこのままではいけないと思っていたところ、妻より韓国ウリドゥル病院で治療ができるみたいだから連絡してみたらどう?と知らせが入った。
ウリドゥル病院の当時のWebサイトを見るとPLDDより進化したPECD(内視鏡レーザー頚椎椎間板ヘルニア切除術)というレーザー手術ができることが明記されていた。PLDDは再発率が高くPECDの長所が明記されていた。
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PECDの長所は以下となる。
・ 神経硬膜外出血や神経周囲の繊維癒着が生じない。
・ 椎間板断片の一部のみを除去するため、金属製のケージを移植したり骨融合術の必要がない。
・ 脊椎不安定が殆ど発生しない。
・ 頚椎椎間板ヘルニア前方に小さな作業窓を作るため、椎間板髄核が神経管の中に再発することを予防できる。
・ 施術期間と入院期間が短く、日常や社会への復帰が早い。
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ウリドゥル病院の手術体験の公開動画を見て「ここの病院がいいのではないか?」と気持ちが高ぶった。
PECDでの治療に大きな興味を持ったため藁をも掴む気持ちでウリドゥル病院の中でもソウルシティーに近いチョンダムのウリドゥル病院 国際患者センターに連絡を取った。
メールで現在の症状を説明したところ、最新のMRI、CT画像を指定サイトにアップロードしてほしいという連絡があったためアップロードした。
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ウリドゥル病院の診断結果は以下である。
診断名: 頚椎椎間板ヘルニア(頚椎3-4-5-6-7番間)、頚椎狭窄症
MRI上、頚椎3番から7番間の椎間板が真ん中に突出し、神経根ではなく、中枢神経を圧迫しております。また頚椎4-5-6番間はひどいヘルニアと脊椎骨の間隔も狭く椎間板そのものも変性されています。
特に4-5-6番間の状況は非常に深刻な状態にあり早いうちに治療が必要です。
右側の症状は4-5番と6-7番の脊椎管狭窄症が原因だと見られますが、詳しい治療による診断が必要と思います。
お持ちの椎間板ヘルニアの状態からは一般的に左側にも病状が発現されますが、神経の圧迫程度や位置により病症が発現されない場合もあります。しかし、このまま出ている椎間板を放置したら最悪麻痺の可能性もあるため早い手術を勧めます。

手術方法は骨融合術(ACDF)と椎間板除去術を提案します。
ヘルニアが酷く骨の間隔も狭い頚椎4-5-6番間はACDFを、頚椎3-4番は除去術を行う予定です。また頚椎6-7については診療の上、手術可否を決めたいと思います。2つの手術とも狭窄症まで改善させる手術であり、当院では数多く行われている手術でリスクの心配はほとんどありません。手術は1回で両方行います。
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もし手術をする場合、センター長のイ・ジュンホ先生が執刀するとのことだった。
ウリドゥル病院でPECDの手術はできるが、治療方法にPECDの提案はなかった。
PECDとしては日本国内ではI腰痛オペクリニックがあるが、手術費用は保険がきかず高額となっていたため対象から外した。その時は日本の病院では積極的な治療はできないと半ばあきらめていた。
また、I藤クリニックにPLDDの手術予約を入れていたが、キャンセルの電話を入れた。
韓国のウリドゥル病院にて手術
ウリドゥル病院での治療に気持ちが大きく傾き2013年3月に渡航した。初日にMRI、CT、レントゲンなどの精密検査をし手術方法について説明があった。
提案いただいた治療方法ではなく左側に症状が出ていないことからC3/4 PECD、C5/6/7 椎間孔拡大術の手術同意書にサインをした。やはり体に人工物を入れることに抵抗があった。

 手術は翌日12:00から始まり6時間かかった。術後、右肩甲骨内側と上腕部の痛みはすっかり消えていた。右手人差し指、親指、中指には軽い痺れは残っており左奥歯1本に感覚麻痺が起こった。
これらはしばらくしたら治るとのことだった。
後頭部の鈍痛、違和感が残っていたが、痛みが消えたことに満足していた。
約1週間後、退院となりオーストラリアに戻ってきた。
ウリドゥル病院のすべての費用は約188万であった。

2か月経過したある夜、運転中に突然首からビリビリと電気が体中に走った。その直後から右手の痛みと痺れが強くなり、ただ事ではないと感じた。
すぐにウリドゥル病院に連絡を取ったところ、最新のMRIとCTを現地で撮り指定サイトにアップロードしてほしいと指示があった。
アップロードして遠隔診断してもらったところPECDしたC3/4の膜が破れて髄液が漏れていると診断があり問題が再発したとのことだった。診断結果に愕然とした。



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診断結果は以下となる。
<先生の回答>
心配されていた頚椎6-7番間は問題ないのですが、頚椎3-4番間が再発しました。
簡単な内視鏡施術である内視鏡頚椎ヘルニア治療(PECD)でも解決できますが、 以前の写真と比べた結果、3-4番間の高さが低くなっている傾向であり、より安全で確実な方法である前方経由頚椎骨癒合術(ACDF)や頚椎人工椎間板置換術(ADR)もお勧めします。
突出した椎間板はPECDで除去することが可能ですが、低くなっている高さもちゃんと元に戻して支えてくれる手術はACDFやADRだからです。


内視鏡頚椎ヘルニア治療(PECD)
施術方法:局部麻酔または静脈麻酔下で頚椎前方より椎間板に内視鏡を挿入し、カメラ映像をモニターで確認しながら神経を圧迫する脱出したヘルニアを摘出。所要時間は約1時間程度。
入院期間:約2日間(回復速度により個人差があります。)

前方経由頚椎骨癒合術(ACDF)
手術方法:全身麻酔後首の前側の皮膚を切開(5cm程度)し、神経を圧迫する椎間板を除去し人工骨を入れて骨融合させ、場合によっては金属板を使い固定する。手術時間は3-5時間程度所要。
入院期間:約7日間(回復速度により個人差があります。)

頚椎人工椎間板置換術(ADR)
手術方法全身麻酔後首の前側の皮膚を切開(5cm程度)し、神経を圧迫する椎間板を除去して人工椎間板を挿入する。 手術時間は3-5時間程度所要。
入院期間:約7日間(回復速度により個人差があります。)
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「手術して2カ月で再発することがあるのか?」と疑問を持ったが、ありえるということでとても落ち込んだ。今後の治療として再手術が必要とのことだったが、このような術後リスクがあるという説明が術前になかったので憤りがあった。
ウリドゥル病院への不信感があるためオーストラリアでの治療を探った。
オーストラリアで手術をする場合、脳神経外科或いは脊椎専門のスペシャリストに診てもらう必要がある。ここの医療は英国のシステムを取っておりまずGPという一般医に診ていただく必要がある。
GPの紹介状をもって脳神経外科或いは脊椎専門のスペシャリストに予約を入れるが、予約を取るのに3カ月待ちということもある。
今回は脊椎専門のニール・クレーバー先生に予約を取った。オーストラリアの先生は当たり外れがありどの先生がいいか分からないのでドクターレビューサイトで評価のいいと思われるこの先生に連絡を取った。
最新のMRIとCTの画像結果を診て韓国の手術は失敗していると断言した。理由は脊髄に当たっている箇所が数か所あり画像を私に見せながらここが問題だと説明した。
彼はC3/4にADR(頸椎人工椎間板置換術)、C4/5/6にACDF(前方経由頚椎変性靭帯除去術及び融合術)の手術をすることが最適であると言った。
手術はすぐにする必要はなくその年の11月にやろうということでブリスベンのある病院で神経伝達テストを事前にしておいてほしいと話があった。
手術費用の見積もりを取ると保険があるため約75万が私が支払う費用であった。
オーストラリアでの治療については抵抗があった。なぜなら5年前に左ひざの半月板裂傷としてロビーナ病院で手術を行った際、執刀医から非常に簡単な手術のため3カ月で完治すると言われていたにもかかわらず落ち着くのに3年も掛かったからである。
その間、痛みと腫れと違和感に長い間苦しむことになり歩くことができないことがこんなにも辛いのかと身を以て体験した。

首の神経で同じようなことがあれば、殺される或いは身体障害者になると大きな危機感があった。選択ミスをすると私の人生は終わると思った。
日本での手術については先の一時帰国に際、あらゆる病院に断られていた関係で半ば諦めていた。
韓国での治療については日本より積極的な治療は受けられるが、もう少し調べる必要があると思っていた。
ウリドゥル病院では再手術にあたって、C3/4 1カ所にADR或いはACDFを提案してきた。
ウリドゥル病院の再治療方法に不信感があるためいくつか質問をした。

質問1)手術をするとしたら、本当に1箇所で大丈夫なのかについて。
→ 現在はC3-4番だけですが、もし、左に症状が出たら、最初手術相談した時、ご説明したようにC4-5-6番に再手術の可能性があります。その時はACDFかADRが予想されます。しかし、この手術は症状が出てから考える手術で予防的にすることは要りません。
質問2)以前C3-4番に提案した手術の中でADRはなぜなかったのかについて。
→ 当時、PECDで簡単に解決できる程でしたし、体の中に金属などを入れることに違和感を持っているような患者さんの発言があったので、提案しませんでした。
手術して2ヶ月で再発したことに対して治療保証をしてほしいとクレームした。
治療保証はできないが、2カ月で再発したことにより手術費用を減額すると言ってきた。
減額しても手術を行うのにADRは約 135万、ACDFは約 125万かかりこれは椎間1か所の費用で1カ所増えるごとにADRは約100万、ACDFは約50万追加でかかると言われた。非常に高額でありどうしても不信感が拭えなかった。
また、1カ所の治療だけでいいという執刀医の診断にどうしても納得ができなかったためアン・ヨン病院長のセカンドオピニオンももらったが、以下のように執刀医と同様の見解だった。
<病院長のコメント>
C3-4番間に再発があります。しかし、症状に好転があったら、当分様子をみた方がいいです。時間が経てば突出した椎間板も自然に元に戻る場合もあるからです。
C4-5-6番間は写真上悪いですが、早急手術しなければならない状態ではありません。こちらの部位ももう少し様子を見ていいと思われます。
今後3ヶ月間は経過を観察してください。もし、症状が悪化しましたら、その時再び検査を受け、再度診断します。
闘病記(2)に続く
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