第2昭和メディカル・コンサルティングからの診断結果


左(上)のMRI(2013年5月)
右(下)のMRIがウリドゥル病院での手術直後

現在、○○様の脊椎疾患は頚椎3-4番、4-5番、5-6番の椎間板ヘルニアと5-6番の神経孔狭窄症です。
特に、以前ウリドゥル病院で手術を受けたところの腰椎3-4番も再発が起こり、椎間板の内部から髄核が破裂されている髄核破裂性の椎間板ヘルニアが確認されました。(上の写真からすぐ分かります)
なお、頚椎5-6番の場合、頚椎椎間板ヘルニアと共に、神経孔狭窄症も確認されました。

以前、○○様に説明した通り、PECD内視鏡レーザー手術は当日退院ができ、簡単な手術ですが、非常に再発率が高く、現在、別の病院ではあまり使われていません。それに、若い方や活動性が多い方の場合は6ヶ月から2年以内にはほぼ再発されていることが報告され、手術が必要な頚椎椎間板ヘルニアの場合、ADR(Artificail Disc Replacement:人工椎間板置換術)で手術が行われています。
とりあえず、頚椎3-4-5-6番の3ヶ所の椎間板ヘルニアが神経の真ん中(中枢神経)を圧迫していることが確認され、それに、神経孔狭窄症も確認されましたので、手術治療が必要です。
もう中枢神経が圧迫されていますので、薬物や理学療法だけでは治療に限界があります。

もし、我が方で手術治療を受けることなら、2つの選択肢がございます。
1.頚椎3-4-5-6番の3ヶ所の人工椎間板置換術(ADRの3ヶ所)
2.頚椎3-4-5-6番の中で、二ヶ所のADRと一ヶ所のACDF(骨間ねじ固定術、融合術)手術です。
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しかし、ACDF手術は2つの骨を一つで融合させることですから、手術後、動きに制限がありますが、もっと大きな問題はADCF手術で融合された骨の上と下が以前よりもっと動きが多くなるため、また椎間板ヘルニアか、椎間板の退行性変化が速く進む短所があります。
しかし、人工椎間板置換術は普通の椎間板と全く同じ役割を果たしているため、手術後も治療部位の上下の骨に無理を加えません。ですから、手術による他の問題は起こりません。それに、人工椎間板は耐久性が60年~70年ですので、再手術の必要もございません。
(もし、○○さんが115歳になると再手術が必要になると思われますが、その時は私が自分の世継ぎに○○さんの再手術をしっかり頼んでからあの世に行きます。安心してください)
なお、16階以上の建物から飛び降り自殺しない限り、人工椎間板が外れたりすることはありません。
つまり、完全な治療のためには3ヶ所のADR治療を受けることを積極的にお勧めします。

さて、これからは○○様の治療方法について説明いたします。
結論からいいますと、○○様の場合、必ず手術治療が必要であり、手術を受けますと腕に関する症状は90%以上改善され、中枢神経の圧迫も完全になくなりますので、首の違和感やふらつきのような症状もほぼなくなります。つまり、ほぼ完治ができます。
症状は手術後、すぐ改善効果が期待されます。
しかし、もっと確実なことは、このまま手術せずに放置しますと、中枢神経がどんどん圧迫されつつあり、神経の損傷や頚椎神経の圧迫によって違和感と腕の不便さが増加し、日常生活に支障が起こり始めます。
特に、頚椎部の疾患を患っている患者は放置しますと、精神病まで進む場合も多いです(うつ病など)
ちなみに、脊椎疾患患者にうつ病がよく生じていることから見ても、手術治療を受けないと肉体的、そして精神的にも病気が起こりやすくなります。

しかし、ご安心ください。○○様の場合、十分手術治療ができ、その手術が終わり次第、すぐほぼ完治ができます。それに、体に負担を加えない最小浸襲的手術ですので、全然問題はありません。

○○様が受ける予定の手術名は頚椎3-4-5-6番の3ヶ所の頚椎部人工椎間板置換術(ADR : Artificial Disc Replacement)及び、微細顕微鏡と微細高速ダイアモンドドリルを利用する神経孔拡張術です。
方法は最小浸襲に基づいて、頚椎の前方から約3センチ程度の皮膚切開後、微細顕微鏡とコンピューター人体投影機の誘導下に、病所を15倍くらい拡大させます。そして、医療器具を利用して病所の頚椎3-4-5-6番の椎間板を全部取り出して、中に人工椎間板を入れ替えます。
そして、狭くなっている神経孔は微細ダイアモンドリルを利用して拡張させます。
この手術によって完治ができますし、二つの手術は同時に行われます。

○○様のご存知の通り、日本では○○様のような頚椎疾患(特に、再手術)なら、危険性のため、手術を直間接的に拒否している病院も多く、手術してもねじやボルトを頚椎に挿入する固定術(融合術)を行う病院が殆どでしょう。
固定術は文字通り、二つか、三つの頚椎骨を一つにさせることで、ねじやボルトを使い、骨を固定させますので、少なくともある程度の体に負担が加わり、手術後もある程度の首の動きに制限があります。しかも、手術部位以外の骨に問題を起こします。

しかし、人工椎間板(Artificial Disc)は普通の椎間板とまったく同じ役割を果たしますので、固定術ではありません。手術後も回復や退院が速く(一週間以内)、手術後の頚椎コルセットの着用も2週間で十分です。
そして、目立つことは固定術ではないので、手術後、首の動きに何の制限も無いことです。
(頚椎固定術の場合、手術後首の動きにある程度の制限があり、2ヶ月程度の頚椎コルセットの着用が必要です)