頚椎椎間板ヘルニア、変形性頚椎症、頚椎後縦靱帯骨化症、胸郭出口症候群の主な症状 |
椎間板 椎間関節周囲の神経の刺激 頚肩痛・凝り 頚部痛(首の痛み)、肩の痛み、肩こり、後頭部痛、肩甲間部痛 <軽症> 痛みには個人差があります。焼けるような痛み、重い・だるいような痛み、締めつけられるような痛みを感じる人もあります。 肩こりでも後頭部が痛くなることもあります(緊張性頭痛) この症状が出る頚椎疾患は ● 頚椎椎間板ヘルニア ● 変形性頚椎症 ● 頚椎後縦靱帯骨化症 ● 胸郭出口症候群 |
神経根の刺激 神経根症 上肢の痛み、痺れ、筋力の低下 <中等症> 腕や手指の痛み、しびれ、筋力低下(腕や手に力が入らない、動かしづらい) 肩から腕にかけて電気が走るような強い痛み 腕を下げていると痛い 両腕を横に伸ばして、手のひらを反らすと腕に痛みが走る 神経根が圧迫されていても神経根の炎症が引くと痛みは軽くなります。 ヘルニアや骨棘を手術で取らなくても痛みは少しずつ引いていきます。 ただし、痛みや痺れが完全になくなることは少ないです。 痛みは軽減するが、日によって強弱の波があります。 特に痺れは残りやすいです。 激痛が消えて筋力低下が起こることがあります。 痛みには個人差があります。焼けるような痛み、重い・だるいような痛み、締めつけられるような痛みを感じる人もあります。 まれに狭心症に似た前胸部痛があります。 この症状が出る頚椎疾患は ● 頚椎椎間板ヘルニア ● 変形性頚椎症 ● 胸郭出口症候群 ● 頚椎後縦靱帯骨化症(△) |
脊髄の圧迫 脊髄症 上肢と下肢の痺れ、動きにくさ <中~重症> 脊髄症では痛みはないか、あっても軽いことが多いです。 上肢(両腕~手)・下肢(両足)の痺れ(手袋・靴下型痺れ) 足がもつれる、歩きにくい、転びやすい、力が入らない(歩行障害) 手指の細かい動作(箸、ボタン掛け、紐結び、文字書きなど)がぎこちない、やり難い、上手く出来ない 排尿・排便障害(尿に勢いがない、もれる。肛門の周りが痺れて締りががない) この症状が出る頚椎疾患は ● 頚椎椎間板ヘルニア ● 変形性頚椎症 ● 頚椎後縦靱帯骨化症 腕を胸の前に伸ばして、手のひらを握る・開くを繰り返すことを10秒間に20回以下は要注意! 脊髄症で、歩行障害、排尿・排便障害がある人は、手術が必要です。 脊髄に傷がついて脊髄細胞が死んでしまうと、手術をしても痺れや手指の動かしにくさなどの症状が残ります 手術はしたくないですが、手術を延ばし延ばしにして手術のタイミングが遅れることによって後遺症が残ってしまわないように、医師とよく相談して手術を受けてください。納得がいかない場合はセカンドオピニオンを申し出てください。脊椎脊髄病の専門医に診てもらうことをおススメします。 |
症状の進行 神経根症 手の痺れ → 痛み → 筋力の低下 脊髄症 痺れ → 動きにくさ → 膀胱麻痺 |
※頭痛について 頚椎からの頭痛は頚緊張性頭痛といって、頚の筋肉がこって硬くなる(筋肉の収縮)ために頚(首)から後頭部にかけて痛くなるのが一般的です。気持ちが悪くなることもありますが、脳動脈瘤破裂のように頭が割れるように痛む頭痛とは違います。片頭痛のようにズキンズキンと脈打つような痛みとも違います。 痛みの程度には個人差があります。他にも目の病気、精神的ストレスなどからも頭痛の原因となっていることもあります。いくつかの要因が複合していることで頭痛が起こっていることもあり、頭痛の原因がこれであると明確に特定することはできにくいです。 緊張性の頭痛は、入浴など温めると血行が良くなり症状が緩和されます。また、ウオーキングなど運動も効果あります。 脊髄の圧迫で頭痛を訴える人は少ないです。 脊髄症の人は痛みはそれほどでもなく、多くは痛みよりも手足がしびれる、細かい動作がぎこちない、歩きにくい、などです。 |
※整形外科医師(日本脊椎脊髄病学会指導医)による参考資料の基に作成しています