頚椎椎間板ヘルニア、頚椎後縦靱帯骨化症、頚椎症性神経根症・脊髄症の手術について!




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■頚椎椎間板ヘルニア/頚椎疾患で手術の対象となるのは?
●頚椎椎間板ヘルニアや後縦靱帯骨化症、頚椎症で手術の対象となるのは、
下記のような日常生活に支障があるときは手術の対象となります!


上肢
・手指がしびれて、熱さ、痛さ、触っている感じが鈍い、あまりわからない
・箸を持って食事ができない、お箸でつかめない、ペンで上手に書けない、字が下手になった。ボタン掛けができないやりずらい。紐結びがうまくできない。物を落としてしまう。

下肢
・ 足が痺れて、熱さ、痛さ、足の着地感が鈍い、わからない
・ 脚がもつれる、脚に力が入らない、足が上がらない、つまずく、よく転ぶ、つかまる物が必要

膀胱・肛門
・ 尿意が鈍い、尿の勢いが弱い、失禁、尿が出にくい
・ 肛門周囲のしびれ、肛門の締りが悪い

※手術で改善されますが、症状が残ることもあります。特にしびれは残りやすいです!

神経根症で手術をすることは少ないです。痛みだけで手術をすることはないです!


脊髄の細胞はとてもデリケートです。変性(死ぬ)すると手術をしても元に戻りません!
同じ症状の人でも改善は異なります!
 
症状が出てから時間が経過するほど神経細胞は変性します。


〜〜〜〜〜手術はしたくない!怖い!でも〜〜〜〜〜

いつ手術する?早い時期がよい?症状が出てから6ヶ月以内なら改善は良好?
脊柱管狭窄は症状が軽くても予防的に手術する?
・ 症状が出てからの日数
・ 症状進行のスピード(急性悪化、緩徐進行)
・ 合併症(糖尿病、心肺疾患、脳血管疾患など)
・ 社会生活上の問題(家族形態、職業有無など)
・ 患者本人、家族の希望
などで変わってきます。迷ったときはセカンドオピニオンを受けてよく考えましょう!

セカンドオピニオンの受け方
・ セカンドオピニオンを受けたいと主治医に申し出る
・ どの病院・医師にセカンドオピニオンを受けるか決める
・ 主治医に紹介状を書いてもらう。必ずX-PやMRIを借りる
・ セカンドオピニオンを受ける病院に電話して予約を取る
・ セカンドオピニオンを受けたら、結果を主治医に報告しましょう
・ 主治医にお願いする。又は、他の医師にお願いする。
・ もうしばらく考えてから決める。
自分に納得できる医師を選びましょう!

■頚椎椎間板ヘルニア/頚椎疾患の手術法
頚椎椎間板の手術方法は?

前方除圧術---脊髄の前から脊髄、神経根を除圧する
後方除圧術---脊髄の後ろから脊髄、神経根を除圧する

前方法、後方法、それぞれ一長一短です。
前方法、後方法、どちらを選択するかは手術をする医師の考え方でまちまちです。


後方除圧術 椎弓形成術
手術の対象となるのは、変形性頚椎症、後縦靱帯骨化症、椎間板ヘルニア
脊柱管狭窄症、脊髄症状に適応します。多椎間の圧迫がある場合もこの術法を行います。

・片開き式脊柱管拡大術
椎弓を拡大して脊髄圧迫を除きます。
片開き式脊柱管拡大術
後方から行います。椎弓を切り開き、反対側も削って溝を掘って兆番にします。
頭をヘッドピンで固定して手術を行います。
骨移植は不要です。
手術時間は、4〜5椎弓形成術で、約2〜3時間
輸血は不要のことが多いです
手術の翌日より、座位、立位歩行、リハビリを行います。
入院期間は約2週間
早く社会復帰できます。
術後の頚椎カラーは不要ですが、希望すれば着けても良いです。

椎弓形成術による除圧術は、他にもいろんな術法があるようです。
正中縦割り式、選択的、非連続的、椎弓間除圧など
(術式によっては骨移植が必要です)
※手術の欠点は、頚椎後方の筋肉を痛める


前方除圧術 前方固定術
椎体を削って圧迫を取り除く。
首の前方の顎の左下あたりを縦か横に切って、頚動脈や気管の横を通って椎体の前方に到達します。次にヘルニアのある椎間板を前から削っていきます。ヘルニアは椎体の後方、つまり脊髄の前方に飛び出ていますが、椎体の前方から椎体の後ろの方を注意深く削っていきます。ですから手術は井戸の底をのぞきながら底にあるヘルニアや骨の出っ張りをを少しづつ削ったり、取り除いたりするわけです。当然椎間板をとった後は穴が空いていますので、そこに骨を詰め込みます。

手術の対象となるのは、
 脊柱管狭窄がないか、軽度
 1〜2椎間の圧迫
 頚椎後弯

手術時間は、
 1椎間固定術…約2時間
 2椎間固定術…約3時間

輸血は、不要のことが多いです
術後は、手術の翌日から座位、立位歩行可能です。リハビリを行います。
入院期間は、約2週間です

※骨移植が必要です。
骨移植術は、自分の骨盤や腓骨から採集して背骨を固めます
(他に、他人の骨、人工骨)
移植した骨がずれないように、頚椎カラーは4〜8週間必要です
入浴、就寝時以外は装着します(起き上がる前に装着します)


顕微鏡下で行う術法
前方より圧迫している部分を取り除いた後は、チタンケージで固定します。自骨採骨術の必要がなく、翌日には歩行が可能です。入院期間が短いので早く社会復帰できます。


レーザー手術
ヘルニアが靱帯に囲まれていて内圧が高いとレーザー手術に期待できそうです。
ヘルニアが靱帯を破って内圧が低いと、レーザーによる治療は適応されない。


頚椎手術の合併症、後遺症について!
頚の動きが悪くなる
 後方除圧術…動く範囲が半分ぐらいになる(約80%)
 前方固定術…固定椎間の数が増えると動きが悪くなる(約80%)
 ※後ろを向き難くなるが、日常生活に支障はない

頚の痛み、肩こり
 後方除圧術…約50%にみられます
 前方固定術…約30%にみられます
 ※経過と共に軽減します

四肢の痺れ
 手足の動きは良くなっても、痺れは残ることが多いです
 ※脊髄変性の程度によって異なります

上肢の運動、知覚麻痺
 後方除圧術、前方固定術ともに数%に起こりますが、原因はよく分かっていない。
 片側の肩の麻痺が最も多い(C5麻痺)
 ※約75%は数ヶ月で自然に治ります

血腫による麻痺
 後方除圧では1〜2%の発生率。手術後数時間で起こることが多い
 片側の肩の激痛→上肢麻痺→四肢麻痺と広がる
 ※大至急創を開いて血の塊を取り除く

手術直後の四肢麻痺
 手術中の脊髄の刺激で起こる
 ※椎弓切除術の時代で時々発生したが、手術機器の進歩で減少

創の感染
 合併症(糖尿病など)のある人は起きやすい

髄液
 硬膜に穴があいて髄液が皮膚まで漏れて出てくる
 0.1%〜0.5%の発生率?

深部静脈血栓症による肺梗塞
 手術後1週間以内に胸部痛、息苦しさで発症することが多い
 エコノミー症候群と同じ
 無症候性のこともあるが、死亡例もある
 ※フットポンプ、弾性ストッキング、足首の運動などで血栓形成を予防する

後方除圧術で、持ち上げた椎弓の落ち込み
 無症状のことが多い、自然に軽快することが多いが、良くならない場合は再手術

前方除圧固定術後の移植骨の脱転
 近年では多椎間固定をするときには最初から金属を使って移植骨の脱転を予防しています
移植骨がつかない
 絶えられない痛みや麻痺の悪化がなければ再手術は不要です。

手術をすれば良くなる!の意味の違い
大きなギャップがあります!
良くなる=完全な回復。発症以前の状態に戻る。×
良くなる=症状改善、悪化予防
手術をすれば症状が今よりも良くなる。手術をすれば今以上に悪化しない。なのです。
・症状が出てからの日数、
・症状進行のスピード(急性悪化?緩徐進行?)
・合併症の有無(糖尿病、心臓疾患、脳血管疾患など)
・社会生活上の問題(家族形態や職業など)
・患者本人、家族の希望
これらを考慮して手術の適・否を決めます。
くれぐれも手術をされる医師とよく相談した上で納得してから手術を受けてください。





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※整形外科医師(日本脊椎脊髄病学会指導医)による参考資料を元に作成しております。