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頚椎椎間板ヘルニアと他頚椎疾患

頚椎椎間板ヘルニアとよく似た症状の頚椎疾患の分類
頚椎椎間板ヘルニア・変形性頚椎症・頚椎後縦靭帯骨化症・胸郭出口症候群


脊柱は、頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個の24の個椎骨からなる。背骨は頚椎から仙椎まで椎骨と椎間板がつながって出来ています。
頚は神経や血管、食道、気管の通り道になっているほかに、重い頭を支える支柱の役目を担っています。この支柱は7個の頚椎とそれを支える靭帯や筋肉で構成されています。頚椎はその中に脊柱管という脳の続きの脊髄が通る管があり、脊髄を守るという大切な役目もあります。7個の椎骨は、1と2は特殊な形をしていますが、3~7は同じ形をしています。
髄核が繊維輪を破って飛び出した状態が椎間板ヘルニアですが、他にも頚椎椎間板ヘルニアとよく似た症状の頚椎疾患に変形性頚椎症、頚椎後縦靱帯骨化症、胸郭出口症候群があります。


   
頚椎椎間板ヘルニア他頚椎疾患の症状
頚椎疾患の神経根症と脊髄症
頚椎椎間板ヘルニア・頚椎疾患の治療法
頚椎椎間板ヘルニア・頚椎疾患の手術
頚椎椎間板ヘルニアの注意点・予防法

  

頚椎椎間板ヘルニア&頚椎ヘルニアと症状が似ている主な頚椎疾患
  変形性頚椎症(頚部脊椎症、頚椎症)
 
頚椎椎間板ヘルニア
 
頚椎後縦靱帯骨化症
 
胸郭出口症候群


A. 変形性頚椎症
(頚部脊椎症、頚椎症)
B. 頚椎椎間板ヘルニア C. 頚椎後縦靭帯骨化症

難病に指定
A. 変形性頚椎症(頚部脊椎症、頚椎症)
椎間板の老化現象で椎間板が狭くなり骨棘(トゲ)が神経を圧迫する

B. 頚椎椎間板ヘルニア
椎間板の亀裂(老化現象)から椎間板の中身(髄核)が飛び出して背髄神経を圧迫する

C. 頚椎後縦靭帯骨化症
後方の後縦靱帯が老化によって硬くなり骨化し、分厚くなってくると脊髄を圧迫する

変形性頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症は症状が似ています。
他に胸郭出口症候群も症状がよく似ています。


臨床症状だけでは区別できないため、画像診断が必要です。
頚椎エックス線撮影、頚椎MRI(磁気共鳴画像診断)検査を受けましょう

◆変形性頚椎症(頚部脊椎症、頚椎症)
椎間板の老化現象で、年齢とともに誰でも変形します。変形があっても必ずしも痛いわけではありません。無症状のまま一生を終える人も多いです。年齢とともに次第に悪化するケースが多いです。

椎間板の老化によって椎間板が潰れて、椎骨の椎間板付着部の椎体から骨が出っ張って棘ができ(骨棘)神経を刺激する。

症状はさまざまです。 頚(首)~肩の痛み、肩こり。
頚(首)を後ろに反らすと症状は悪化します。無症状の人もいます。

骨棘が神経を圧迫する=神経根症(頚椎症性神経根症) 
骨棘が脊髄を圧迫する=脊髄症(頚椎症性脊髄症)


◆頚椎椎間板ヘルニア
椎間板は軟骨で出来ていますが、その構造は繊維輪という硬い軟骨の囲いの中に、柔らかい隋核という軟骨が入っており、クッションの役目をしています。その髄核が繊維輪を破って飛び出した状態が椎間板ヘルニアです。
変形性頚椎症より若い年齢層(30~50代)に多い。飛び出た大きさや、神経圧迫の部位によって頚部痛、神経根症、脊髄症を呈します。
変形性頚椎症と区別が困難なこともあります。MRI画像診断が必要です。

頚椎椎間板ヘルニアの分類、症状、内圧、神経根症、脊髄症などについては、別ページに移動します


◆ 頚椎後縦靱帯骨化症
椎体の後ろにある後縦靱帯が骨に変わってしまう原因不明の難病です(難病に指定されています)

骨化が大きくなって脊髄を圧迫していても無症状のことがあり、X線写真を撮って初めてわかることも珍しくありません。
後縦靭帯骨化の程度が低くても、転倒などの衝撃で悪化することがあります。注意が必要です。
無症状の人が転倒して四肢麻痺となってはじめて後縦靱帯骨化症が発見されることもよくあります。
多くの場合、脊髄症を呈します。神経根症はまれです。
圧迫が強い箇所では脊髄は紙のように薄くなっています。
中高年の男性に多くみられます。糖尿病を合併している人が多い傾向にあります。


◆ 胸郭出口症候群
鎖骨の上方で、腕にいく神経や血管が筋肉の間で挟まれるために起こります。若い女性に多くみられます。

血管性、神経性、血管性と神経性の合併があります。
血管性は頚が長い、なで肩などの生まれつきの要素が関与しているといわれています。
神経性は頚椎捻挫などの外傷で発症することが多いです。
 
腕を挙げる姿勢で症状が強くなり、腕を下げると楽になります。
長時間のパソコン作業で悪化する。
多くは片側性ですが、両側性もあります。
神経根の先の腕神経叢の障害




★頚椎(首)の運動(画像あり)

ストレッチ・筋トレ・腹式呼吸

※ストレッチ体操はゆっくり丁寧に、反動をつけないで、力を入れすぎないで、痛みを感じたら中止します。
※痛みが強いときには運動をやらないでください。医師の診断に従って行ってください。






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※整形外科医師(日本脊椎脊髄病学会指導医)による参考資料を基に作成しています。